皆様猛暑暑い日が続いておりますがいかがお過ごしでしょうか。
さて、今回は1926年に開園してから今日まで東京都のレジャー施設として利用されておりますとしまえんがいよいよ、94年目の今年8月31日で閉園することになります。
6月12日の小池百合子知事の定例記者会見では、閉演後にハリーポッターのスタジオテーマパークを設立するための関係各位の覚書を締結したことを発表し、『ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 -メイキング・オブ ハリー・ポッター』のテーマパーク実現に向けてとしまえん運営の西武鉄道と関係者間で本契約が締結されたことが8月18日に発表され、2023年前半オープン予定と報道されております。
8月の残りの時間を惜しむようにお客さんが最後の時間を楽しまれている様子が報じられております。さて、閉園を惜しむ声が上がる中、今注目されているのが2010年「機械遺産」に認定され、日本最古の巨大な木製メリーゴーランドである「カルーセルエルドラド」。
今回こちらについて調べてみました。一緒にお付き合いください。
世界最古の回転木馬
としまえんの回転木馬『カルーセルエルドラド』は1907年に、ドイツの機械技師ヒューゴー・ハッセ(1857-1933)によって製造されました。彼は機械技師で、カルーセルを蒸気機関で動かす仕事を請け負っていました。蒸気機関の整備士としてカーニバルを回るうちに自らもカーニバル業を始め、次々と遊戯施設を制作し、「遊園地業の王様」と呼ばれるようになりました。そんな彼が手掛けた回転木馬の中でカルーセルエルドラドは彼の傑作とも言われる回転木馬でした。
としまえんホームページでは以下のように紹介されております。
カルーセルは同年にドイツのミュンヘンで開催された“オクトーバーフェスト”において、初めて人々に披露されました。
当時は「トロットワール・ルーラン(動く歩道)」と呼ばれ、世界最大にしてもっとも豪華なカルーセルと言われていました。
今にも動き出しそうな見事な造形の24体の木馬をはじめ、豚やゴンドラ、馬車などすべてが木造のカルーセルは、すべてが手彫りされたものです。
天使や女神など全体に施された精巧な美術工芸は、当時全盛だったアールヌーボー様式の豪華な彫刻作品で埋め尽くされ、現在でも大変な価値を持ったものと評価されています。(後に2010年に機械遺産に認定)
ヨーロッパからアメリカへ、そして解体
エルドラドはヨーロッパ各地のカーニバルで使用されますが、巨大な回転木馬を運営する費用がかかることもあり運営は難しく、やがてニューヨークのコニーアイランドにある遊園地スティープルチェイスに寄贈され渡ります。そして移されたメリーゴーランドは『カルーセルエルドラド』としてスティープルチェイスの遊園地で親しまれます。
名前の由来は、カルーセルは回転木馬、エルドラドは黄金郷という意味です。
1964年に閉園するまでコニーアイランドの名物ととして、またニューヨーク・タイムズが「(遊園地の)王者的存在」と表現するほどニューヨーク市民に愛されました。
フランクリン・ルーズベルト大統領をはじめ、多くの人々が楽しんだそうです。
しかしながら同経営難で64年に閉鎖。カルーセルエルドラドは解体されます。
としまえんがエルドラドを買い取り復活
1969年に倉庫に保管されていた「カルーセルエルドラド」。
廃棄処分が予定されていた所、廃棄直前で新たなテーマパークを構想としていたとしまえんが約1億円で購入されます。
日本に貨物船で運ばれる際には多くの市民が駆けつけて見送ったそうです。
塗装がはがれるなどぼろぼろの状態だったため、日本到着後に約2年掛かりで修復したそうです。
当時の専門家などの指導により1年間の修復作業を経て、1971年4月3日にとしまえんで稼動が開始以来としまえんの代表的なメリーゴーランドとして愛されます。
機械遺産として認定される
カルーセルエルドラドは2010年8月7日に機械遺産の認定団体である日本機械学会より機械遺産の認定を受けました。
機械遺産とは『機械遺産(Mechanical Engineering Heritage)』とは、歴史に残る機械技術関連遺産を大切に保存し、文化的遺産として次世代に伝えることを目的に、日本国内の機械技術面で歴史的意義のあるものに対して、日本機械学会が認定しております。
条件としては「現在も動く状態で存在している」ものを認定の条件としているそうです。カルーセルエルドラドは世界でも最古級のメリーゴーランドであり、乗り物は全てハンドメイドによる世界に一つしかない貴重なメリーゴーランドとして認定後あらためて再評価されたのでした。
閉園後はどうなる?
インターネット上ではこの機械遺産としての存在価値があるカルーセルエルドラドの存在を惜しむ声が絶えず、解体しないでほしい、残してほしいなどの声が上がっておりました。
そうした声を受けてとしまえんの現地である練馬区議会も6月19日に「歴史的に貴重な機械遺産であるカルーセルエルドラドを練馬城址公園に残すこと」などを小池百合子都知事に求める意見書を可決して提出しております。
としまえん側のコメントは?
こうしたカルーセルエルドラドを惜しむ世論に対して、としまえんの広報では「具体的にはまだ、何もきまっていない」としつつも
「いつとは約束できない。でも、カルーセルエルドラドを再び楽しんでもらえるよう、あらゆる努力をしている」と共同通信の取材に答えております。
海外ではビンテージアンティークとして古いメリーゴーランドが評価されております。これだけの評価価値ある回転木馬ですから、少なくとも何らかの形で保存、存続の方向に向かうのではないでしょうか。
まとめ
エルドラドについて調べてみました。
私も先週、最後の別れとしてとしまえんにおとずれ、エルドラドに乗ってみました。
最後は豚さんに乗りました。
夕暮れのイルミネーションの明かりがともるメリーゴーランドもまたイメージが異なり幻想的です。
残りの夏、皆様もいろいろな思い出と一緒に最後にエルドラドに乗ってみてはいかがでしょうか?幼いころ行かれた方も、始めていくかたもそれぞれ楽しめると思いますよ。
最後に私が乗りました様子をアップさせていただきます。外周と内周はスピードが異なります。
本日はこの辺でそれでは!