2023日本ダービー2番人気スキルヴィングの急死で注目された競走馬の闇と希望

国家予算に組み込まれる“産業”としての競馬

JRAの年間売上金額は約2兆7000万円
国へ収める国庫納付金が2022年では3100億を収めている国家収益にもかかわる巨大産業となっております。
国庫納付金とは昭和29年の設立以来、JRAでは購入した勝馬投票券から売上げの一部を国庫納付金として国に納めているシステムです。
国庫納付金の仕組みは、例えば、100円の勝馬投票券のうち、約75円はお客様への払戻金に充てられ、残りの約25円が控除されます。この約25円のうち、10円が国庫に納付されます。これが第1国庫納付金と呼ばれるものです。残りの約15円がJRAの運営に充てられ、これにより各事業年度において利益が生じた場合には、その額の2分の1がさらに国庫に納付されます。これが第2国庫納付金と呼ばれるものです。この国庫納付金は国の一般財源に繰り入れられ、そのうちの4分の3が畜産振興に、4分の1が社会福祉に活用されています。
このような理由から国家収益としても欠かすことのできない産業となっているのです。
国家予算に組み込まれる産業になるほど巨大化した競馬という産業を無くすことは現実的にはあり得ないほど巨大化している現実があります。

そうした背景が瀧川さんのツイートの激白に至る背景なのだと思います。

そんな現状に他は何も対応をせず指をくわえてみているだけだったのでしょうか。
もちろんそんなことはありません。

競馬の現状に疑問を持ち改善しよう活動されている方はもちろんいます。

引退馬たちのセカンドキャリア支援活動をする引退馬協会

そうした競走馬の現実に対して、もちろんJRAも何もしていないわけではありません。引退競走馬の養老・余生等を支援する事業として、3年以上引退競走馬の養老・余生等に関する取組みNPO法人に活動奨励金を奨励しております。
その中の一つ、NPO法人である引退馬協会は、引退した競争馬が処分されないように、引退した競走馬の余生を支援する団体として2011年に発足されました。
代表理事の沼田恭子さんは、まだ引退した競走馬のサポートができていなかったころ、1997から引退した馬の引き取り先を探す活動を行い、引退馬の余生を支援する事業ではパイオニアとして有名な方です。
現在も引退馬協会では引退した競走馬や繁殖馬を保護し、フォースターフォースとして受け入れ、馬の里親制度である「フォスターペアレント制度」を運営しております。フォスターペアレント制度とは、引退馬協会では以下説明しております。

一頭の馬をたくさんの人で支える馬の里親制度です。 会が所有する馬を「フォスターホース」と称し、会費、寄付、助成金収入など多くの人で支え合うことにより、安定した環境の中で終生大切に繋養します。

著名な馬では、先月5月30日に亡くなったナイスネイチャ号がおります。90年代に活躍したナイスネイチャは35歳で亡くなり大往生と関係者が話されておりますが、こうした引退場協会の活動が実を結んだと思います。

フォスターペアレントに加入し、会員になるとフォースターフォースである馬への餌をあげたり、手入れをしたり直接触れ合うことができます。
無計画に引き取るということをせず、入念に条件をクリアーした馬をフォスターフォースとして引き取って運営している方針に理事の沼田さんの馬への愛情が伝わります。
こちらの制度にご興味をお持ちの方は引退馬協会のホームページをご覧ください。
引退馬協会のホームページはこちら

農業生産で引退馬支援の試みも

岩手県八幡平にあるジオファーム八幡平では、馬ふんを優良な有機肥料としてマッシュルームの生産を行っております。
牧草地で草を食べた馬のふんで堆肥をつくり、その堆肥を元にマッシュルームを生産しており、品質の良いマッシュルームの生産に成功しているそうです。
2017年度は、年間50トン程の収穫量となるまで生産量が増えております。優良な有機肥料ととして馬ふんから作られる堆肥が評価されることは、引退馬が活用される需要があがることで引退馬の受け入り先が拡大される期待が持てると思われます。
ちなみに、ふるさと納税の特産品としてジオファーム八幡平ではマッシュルームや馬ふんからの堆肥を販売しております。こちら

まとめ

いかでしたでしょうか。巨大産業となった競馬。今回の日本ダービーでのスキルヴイングの悲劇から注目された競走馬のセカンドライフ。
馬は人の経済影響される動物でありますが、だからこそ社会経済に取り組むことで競争馬を支援していこうという努力をされている方がいらっしゃることを今回調べて知りました。
冒頭の競馬予想家の瀧川さんの厳しいコメントは、華やかな競馬界の表面だけ取り上げられることへのやりきれない気持ちが言葉になったのだと思います。
SDGsなど地球環境保全が注目されている昨今ですが、引退馬協会やジオファーム八幡平の取り組みは今後世論としてJRAのみならず競馬業界全体の意識が変わる道しるべになると願いたいです。

今日はこの辺で。それでは。

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